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甲本てん

戦後教育からの脱却

大学法学部卒業後、サラリーマンを経てライティング・WEB関連会社を設立。
法律的な観点から東京裁判の矛盾を検証したことをきっかっけに、正しい歴史認識を普及する活動をスタート。
戦後教育・戦後レジームから脱却し、真の日本を取り戻すことを目指す。

銀行の仕組み~銀行のはじまり~

前回は“お金の正体”について解説したが、今回は、皆さんの生活の中で欠かせない存在、“銀行”について解説する。

 

銀行について知るには、まずは“銀行のルーツ・起源”を知らなければならない。

 

従って、第2回目は“銀行のルーツ”に迫りたいと思う。

金細工職人が考えた、金庫番というビジネス

 

銀行のルーツを探るには、17世紀(1650年代くらい)のイギリスまで遡る必要がある。

 

この当時、イギリスでは、モノの売買には金貨や銀貨を使っていた。

 

金貨や銀貨が、今の貨幣(紙幣・硬貨)のように、国民の間には流通していたのだ。

 

言うまでもなく、“この時代のお金持ち(富豪)=沢山の金貨・銀貨を持っている人”ということだ。

 

 

 

しかし、ここで富豪特有の問題が生じる。

 

“この沢山の金貨・銀貨をどうやって管理すればいいのか?”

 

私は、管理しきれない程のお金を手にしたことは人生で一度も無いが、銀行が無いこの時代、もしそんな大金を手にしたならば、盗難等の被害から守るだけでも大変なのは想像に難くない。

 

この富豪たちの悩みに目を付けたのが、「ゴールドスミス」と呼ばれる金細工職人達だ。

 

彼らは商売でも普段から金を扱っている為、彼らの金庫は、一般的な金庫よりも強固な造りになっていた。

 

なので、客から金貨を預かり、預かった金貨を自分たちの金庫に保管して手数料を貰うというビジネスを始めたのだ。

 

簡単に言えば、金庫番だ。

 

そして、金貨を預かった際に、その証明として「金匠手形」という証明書を客に渡していた。

 

この証明書を客が持ってきたら、預かっていた金貨を返すという仕組みだ。

 

金匠手形を渡し金貨を預かる、というビジネスで、ゴールドスミスは成功を収めたのだ。

 

 

 

後にこの「金匠手形」が、ただの証明書ではなくなることを誰も知る由もなかった。

 

 

 

 

金庫番ビジネスで気づいた、“あること”

 

ゴールドスミスは、金庫番ビジネスを始めてからあることに気付く。

 

それは、“預けた金貨を取りに来る客が極端に少ない”ということだ。

 

そうなるのも無理はない。

 

そもそも、客の多くは、自分では管理できないくらい金貨が多いから預けに来るのだ。

 

預かる金貨は増えるが、預かっている金貨が減っていかないのだ。

 

 

 

この時点で、ゴールドスミスは名案が思い付く。

 

“客は金貨をほとんど取りに来ない。ということは、今預かっている金貨が一気に無くなることは無い。この金貨を貸すビジネスをしよう”と。

 

 

そして、彼らは次なるサービスとして、預かった金貨を貸し出すサービスを開始した。

 

そう、今でいう金貸しだ。

 

こうして、彼らは次々とビジネスを成功させた。

 

 

 

金貨を貸し出すサービスを始めてから、彼らは不思議なことに気づく。

 

“いくら金貨を貸しても、預かっている金貨が一向に減っていかない”と。

 

これも当然のことだが、彼らのもとに金貨を借りに来る客or金匠手形を持って預けていた金貨と引き換えにくる客は、相手から金貨で支払いを求められた客だ。

 

支払いで金貨を受け取った相手は、ある程度金貨が貯まってくると、結局それを持ってまたゴールドスミスに預けに来る。

 

だから、金貨は減っていかないのだ。

 

 

 

しばらくして、さらに不思議なことが起こった。

 

金貨を借りにくる客と、預けている金貨を取りに来る客がほとんど来なくなったのだ。

 

ゴールドスミスは、この原因を探っていた時、信じがたい光景を目にすることになる。

 

何と、ゴールドスミスに金貨を預けた客同士で、金貨ではなく、「金匠手形」で取引が行われていたのだ。

 

 

考えてみると、客もその方が便利なはずだ。

 

取引の支払いの度に、毎回金貨をゴールドスミスに取りに来たり、借りに来たりするのは面倒だ。

 

それなら、取引相手に金貨を預けているという証明書の金匠手形を渡すことで、その手間が省ける。

 

取引相手も、金貨で受け取ると、いずれ管理が大変になる。

 

そうなると、またゴールドスミスまで金貨を預けに行く必要が出てくる。

 

それなら、金匠手形で受け取った方が管理の面で楽だったのだ。

 

 

 

そんな光景を見て、ゴールドスミスは、金融史上、最も偉大な発見をする。

 

それは、

 

“手元に金貨が無くても、金匠手形という信用で取引が成立している。ということは、金貨を貸す必要はなく、金匠手形を貸せばいいのだ。”

 

と。

 

 

 

金貨を貸す必要がない”という深い意味

 

上記の歴史的発見以降、ゴールドスミスは、金貨では無く、金匠手形を貸し出すようになった。

 

つまり、金貨の有無・金貨の量とは関係なく、金匠手形を発行したのである。

 

なぜなら、上述したように、金貨が取引に必要無いと分かったからだ。

 

 

その根底には、ゴールドスミスに金貨を預けていた客同士が、“ゴールドスミスは預けている金貨を持ち逃げしない”という絶対的な信用があったからに他ならない。

 

だから、“金匠手形の価値=金貨の価値”とみなし、取引の決済手段として使っていたのだ。

 

 

 

ここからが今回のポイント。

 

金貨とは関係なく金匠手形を発行した、ということは、金匠手形を発行する際に金貨が必要ないということ。

 

つまり、金匠手形は信用をもとにゼロから生まれたことになる。

 

この、信用をもとにゼロから貨幣が生まれることを信用創造という。

 

そして、この信用創造がもとになっているビジネス、それが銀行なのだ。

 

 

ゴールドスミスが金庫番ビジネスを開始したことや、金貨を貸し出したビジネスモデルを銀行の起源であるかのように解説している人もいるが、本質はそこではない。

 

重要なのは、ゴールドスミスが信用創造に気付いた点なのだ。

 

これが銀行のルーツと言われる、真の所以なのである。

 

ここを誤解してはいけない。

 

 

 

ゼロから貨幣が生まれる、信用創造をもとにしたビジネスが銀行。

 

ゼロから貨幣が生まれるということは、銀行が我々に貸すお金もゼロから生まれている。

 

そう、銀行は誰かの預金を我々に貸しているのではないのだ。

 

 

信じられないかもしれないが、これが真実である。

 

 

 

次回は、この辺りを詳しく解説する。