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甲本てん

戦後教育からの脱却

大学法学部卒業後、サラリーマンを経てライティング・WEB関連会社を設立。
法律的な観点から東京裁判の矛盾を検証したことをきっかっけに、正しい歴史認識を普及する活動をスタート。
戦後教育・戦後レジームから脱却し、真の日本を取り戻すことを目指す。

2・26事件について考える➃青年将校のその後

当時の経済、社会状況に憤りを感じていた青年将校たち。

彼らは、クーデター未遂を起こした後、どのような運命を辿ったのだろうか? 彼らの訴えや強い思いの一端の真実を、私たちはしっかりと知るべきである。

第4回目の記事では、事 …

当時の経済、社会状況に憤りを感じていた青年将校たち。

 

彼らは、クーデター未遂を起こした後、どのような運命を辿ったのだろうか?

 

彼らの訴えや強い思いの一端の真実を、私たちはしっかりと知るべきである。

 

第4回目の記事では、事件の中心となった青年将校達が辿った運命を語りたいと思う。

 

 

・青年将校たちに向けられた理不尽な運命

クーデターが失敗したことを理解した青年将校たちは、自分達の処遇についてある不安を感じていた。

 

それは、陸軍が自分らの存在を「自決」という形で片付けようとしていたことである。

 

自決を選ぶということは、自分達が抱いた社会に対する疑問や思いが一切伝えられないことになってしまう。

 

これでは、事件を起こした意味がない。

 

それを避けるために、彼らは「裁判」という法廷の場で思いを伝える選択を取ったのだ。

 

自分達の起こした行動自体は目的が達成されなくても、世間に現状を伝えることはまだできる。

 

微かな希望を抱きつつ裁判に臨んだが、彼らを待ち受けていたのは残酷な現実だった。

 

裁判といっても最低限の形式さえ整えられていない、非公開で弁護人が不在、上告なしという下での審議。

 

 

これは、正当な裁判でないことは誰もが理解できるだろう。

 

その結果、当事者となった青年将校と襲撃に関わった民間人、合計17名の死刑が決定されたのだ。

 

思いを伝えるどころか、その場さえ設けられなかったという憤りは計り知れない。

 

こんなにも理不尽な運命を、彼らは受け入れる他なかったのだろうか?

 

 

・異例の裁判に隠された思惑

異例の形で行われた裁判であったが、なぜこのような形式を取ったのだろうか?

 

一説では、天皇が迅速な裁判を望んでいたからという話があるが、それ以外にも理由がある。

 

陸軍、特に統制派が懸念していた要素には、青年将校らに対する世論の同情が増すのでないかということが挙げられるだろう。

 

 

そもそも彼らは、自分達の身勝手な思いでクーデターを起こそうと考えたのではない。

 

当時の社会状況、特に農村の疲弊した現状を憂いて、現政権に対抗しようと考えたのは皆さんもお話した通りだ。

 

つまり、クーデターの動機が世に広がってしまうと、どちらが国民のことを真剣に考えているのかが分かってしまうのである。

 

 

この事実は、現政権に限らず、統制派にとっても避けたい部分であった。

 

真実が明らかになると世論が確実に変わる。

 

そうなると、自分達が理想としていた形での陸軍主導の政治が実現できないのでないか?

 

このような事態を避けるためには、あえて動機が分かるような発言をさせないような場を作るしかないだろう。

 

 

その結果が、異例の一方的な裁判だったのである。

 

理不尽は、人為的に生み出されたのだ。

 

 

・まとめ

どんな事件であっても、必ず動機がある。

 

青年将校たちは、政府に対する不満や政治に対する不安を解消したい、という大義名分があり、それを国民に伝えるという使命を抱いていたのだ。

 

しかし、その思いを発言する場を一切設けられず、経緯不明のまま判決が下されることに。

 

彼らが歯がゆい思いをしたことは、容易に想像できるだろう。

 

本当に苦しんでいる人の声が様々な思惑により握りつぶされてしまったことを、私たちは忘れてはならない。