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甲本てん

戦後教育からの脱却

大学法学部卒業後、サラリーマンを経てライティング・WEB関連会社を設立。
法律的な観点から東京裁判の矛盾を検証したことをきっかっけに、正しい歴史認識を普及する活動をスタート。
戦後教育・戦後レジームから脱却し、真の日本を取り戻すことを目指す。

2・26事件について考える⑤一種の社会主義革命

学校で歴史を勉強した人は、誰でも一度は聞いたことがあろう“2・26事件”。
久しく勉強から離れている人は、それはどんな事件だったのか内容を忘れてしまっているかもしれない。
これは、日本と諸外国との状況を見る上では、非常に重要な出来事の1つであった。
第1回目は、一般的な2・26事件の内容について確認したいと思う。

皆さんはこの事件についてどのような印象を持つだろうか?

 

中には、勢い余った青年将校らが、身勝手なクーデターを起こした事件と捉える人もいるはずだ。

 

しかし、激情的な理由で起こした事件だったのだろうか?

 

第5回目は、思想的な部分から事件の本質に迫りたいと思う。

 

 

・感情的な事件でなく、合理的な事件

 

よく2.26事件は、冷静さを失った青年将校達が起こした事件と紹介されるが、それは真実なのだろうか?

 

確かに、ほとんどのメディアでは、感情的な部分に注目されることが多い。

 

彼らのクーデターに対するエネルギーや、社会に対する不満というものに注目されがちだ。

 

だが、感情的な部分が目立つことにより、彼らの本質的な部分は隠れてしまっていることに気づいて欲しい。

 

彼らは、単なる社会への報復として事件を起こしたのでなく、「社会主義革命」を実現しようとしていたのである。

 

その大きな根拠となるのは、クーデター後の構想から読み取れる。

 

無事に成功した暁には、公的年金の制度を確立したり、普通選挙制度を導入したりと、福祉国家の有るべき形を実現しようと考えていたのだ。

 

その理念を知ると、単に感情的に起こした事件でないことに驚く人もいるだろう。

 

このような計画の根本にあるのは、北一輝の思想であり、その著書の内容は社会主義の内容ばかり。

 

現代の私たちが改めて見るとどうだろうか?

 

意外にも、社会主義の魅力に影響され、計画的に、理性的に進められていた事件だったと感じるはずだ。

 

 

・本来の社会主義革命との違いは何か?

 

理性的に計画されていたのだが、失敗してしまった背景には何があるのか?

 

その根本的な理由は、天皇が関わった形での体制を構想していた部分にある。

 

多くの社会主義革命の場合は、クーデターを起こした後に、その後の指導者がその動きを容認しなければならない。

 

つまり、一連の行動を政治の主導者たる者が認める必要があるのだ。

 

 

しかし、当時の天皇の反応の思い出して頂きたい。

 

天皇は、彼らの行動を良しとは考えなかったのだ。

 

これが、彼らにとって大きな敗因・誤算となってしまい、救うべき民衆からも支持されなかった要因になったのだ。

 

 

国内で大恐慌が発生し、資本主義の疑問が顕在化すると、誰もが平等に幸せになれる世界を望む。

 

貧しい生活を強いられる立場の人ほど、この考えに希望と共感を持つだろう。

 

その代弁者として戦った青年将校達は、まさしく社会主義革命の一端を担ったと考えるべきだ。

 

実現はしなかったものの、彼らの行動を「感情的」という言葉で、簡単に片づけてはならない。

 

 

まとめ

 

国家全体で、利益を平等に享受する。

 

現代を生きる私たちからすると、この考えの実現にはいくつもの障害があることを理解している。

 

しかし、当時の資本主義の在り方に疲弊してしまった人々から見るとどうだろうか?

 

自分達を救ってくれる、唯一の考え方に違いなかったはずだ。

 

感情的な部分が強く取り上げられる事件ではあるが、その本質には社会主義思想が根付いていたことを忘れないで欲しい。