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甲本てん

戦後教育からの脱却

大学法学部卒業後、サラリーマンを経てライティング・WEB関連会社を設立。
法律的な観点から東京裁判の矛盾を検証したことをきっかっけに、正しい歴史認識を普及する活動をスタート。
戦後教育・戦後レジームから脱却し、真の日本を取り戻すことを目指す。

消費税の歴史③~消費税導入に拘る理由~

前回は、戦後の税体系の変化について解説した。

また、赤字国債についても解説したが、今回はそれに関連して、国が何故消費税の導入に拘るのかを解説していく。

消費税がなぜ重要なのか、またそれを導入するために、国はどのような方法をとってきたのか、詳しく解説しよう。

 

 

・なぜ、国は消費税導入に拘るのか?

日本で初めて消費税が導入されたのは、1988年の「消費税法案」が成立した翌年の、1989年からだ。

しかし、消費税の導入については1977年から提言されていた。

実に、導入まで12年かかったのだが、なぜそこまで消費税の導入に拘ったのだろうか?

 

日本では、1965年と1973年の2度にわたって、特例公債法を成立させて赤字国債を発行していた。

東京オリンピックの翌年に起こった不況と、オイルショックのときだ。

その赤字国債があったので、国としては税収を増やしたかったのだ。

 

そこで目を付けたのが、シャウプ税制によって大きく減じられた間接税だ。

国にとって、間接税というのは確実に取ることができる税金だ。

酒税やたばこ税のように、商品そのものの価格に税金が加算されているので、消費すれば消費するだけ税金を取ることができる。

それを物品全般にかけることにしたのが、消費税となる。

 

・消費税が導入されるまで

日本では、消費税が導入されるまでの間、物品税という税金があった。

これは、ぜいたく品に対して課税するというものだったが、生活必需品の変化に応じて課税対象も変化させなくてはいけなかったため、複雑なものであった。

例えば、制定された1940年にはぜいたく品とされていた万年筆や安全カミソリ、板ガラスなどは1950年の改正で、対象外になっている。

 

その後、赤字国債を解消するために税収を増やそうとして、一般消費税を導入しようという提言が1977年に出された。

実は、この翌年の1978年に一度、当時の大平内閣で閣議決定が出されている。

その結果どうなったのかというと、国民から大反対を受けて選挙で大敗し、総辞職することになったのだ。

それだけでは収まらず、消費税についてもいったん廃案とすることになった。

 

その後、1986年に中曽根内閣が誕生した時、選挙では消費税のような大型間接税を導入しないという公約を掲げて、選挙で当選した。

しかし、その翌年には消費税の名前を変えた売上税導入の法案を通そうとしたため、窮地に陥り総辞職に追い込まれている。

 

次の内閣総理大臣となった竹下登は、前総理が5%と提言した消費税は無理があるとして、3%に引き下げることにして法案を通した。

税収は福祉政策の財源にするものとして、さらに売上が3000万円以下であれば免税になる、としていた。

これは、小規模事業者であれば利益が増えるため、益税ともいわれた。

 

これによって、1988年には消費税法案が成立して、翌年の1989年には消費税が正式に導入された。

しかし、3000万円以下であれば免税という点に関しては、早々に変更されてしまった。

 

その後、消費税に慣れてきた1994年には、村山内閣が消費税率が5%に上がることになった。

その頃は、消費税にも抵抗がなくなっていたため、あまり問題にならなかった。

その頃から、赤字国債が毎年発行されるようになっている。

 

さらに、2009年に民主党が与党となって、「消費税は4年間上げない」という約束をして鳩山内閣が発足した。

しかし、翌年の2010年に菅内閣が発足すると、いきなり10%まで上げると明言したことで参議院議員選挙では民主党が惨敗し、参議院で野党が過半数を持つねじれ国会となってしまった。

 

菅総理の退任後、野田内閣が10%ではなく、2014年から8%に増税することを提言した。

当初の10%から2%引き下げた税率にするという、消費税の導入時の5%から3%に下げた時と同じやり方だが、反発が少なくなったことで成立したのだ。

 

そのとき、2015年には10%に引き上げるとしていたのだが、2012年で民主党が野党の辞退が終わり、再び自民党が与党となって安倍内閣が発足した事で、その事情は変化した。

 

現在は10%と軽減税率になっているが、それは予定を4年遅らせて2019年10月に導入された。

安倍総理は消費税の増税を2回延期しているのだ。

その理由には、選挙を前にして税率を上げると負けてしまう、という過去の流れがあったのではないかとも思われる。

 

次回は、何故消費税は段階的に上昇していくのか、ということを解説する。