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武田 光司

神話でわかる日本の心

神話は、我々の祖先の物語。そこには、日本人が大切にしてきたものが語られています。神話から、日本人を知ることは、ひいては自分を知ることに繋がります。
神社参拝を契機に祀られている神々が活躍する神話に興味を持ち始め、2012年に神話を伝える活動を始めた筆者が送る神話から読み解くことのできる日本人のDNA、守っていくべきものとは…。

神様も禊(みそぎ)をするのです!

禊(みそぎ)をする。どこかで聞いたことがありませんか?

そう、政治家の発言に出てきていました。不祥事を起こした議員が、議員辞職をした後に謹慎期間を終え、

選挙に出た時に「禊(みそぎ)を終えて、出てまいりました!」そう、よく話 …

禊(みそぎ)をする。どこかで聞いたことがありませんか?そう、政治家の発言に出てきていました。不祥事を起こした議員が、議員辞職をした後に謹慎期間を終え、選挙に出た時に「禊(みそぎ)を終えて、出てまいりました!」そう、よく話されていました。最近は、そんなしおらしい発言をする議員も減り、何食わぬ顔で出馬されているような気がしています。

 

禊(みそぎ)を辞書でひいてみました。身に罪や穢 (けが) れのある者が、川や海の水でからだを洗い清めることとありました。そうなのです、川や海の水でからだを洗い清めなければ、禊(みそぎ)ではないのです。政治家の皆さんは、反省して、身も心もリセットして、再出発しましたと言う意味で使われているように思います。この禊(みそぎ)を最初にしたのは、実は、神様なのです。イザナギという日本の国土を妻のイザナミと一緒に造った神様なのです。

 

イザナギ、イザナミ夫婦は、仲良く、協力して、日本という国を造りました。そして、その後にたくさんの神々を生んでいきました。その途中に、火の神様を生んだとき、イザナミは、大火傷を負って、亡くなってしまいます。

 

愛するイザナミを亡くしたイザナギは嘆き悲しみます。そして、黄泉の国に行ってしまったイザナギを連れ戻そうと、黄泉の国に向かうのです。黄泉の国に辿りついたイザナギ。周りは真っ暗です。イザナギは、何も見えない中、手探りで、前に進みます。そうすると岩の扉のようなものが手に当たりました。そこで、イザナギは、イザナミに声をかけます。その声を聴いたイザナミは、こう言いました。

 

「あなたが来てくれたのは、嬉しい!でも、少し、遅かったの。黄泉の国の食べ物を食べてしまったので、私は帰れない。」

 

さらに、呼びかけるイザナギに、イザナミはこう返したのでした。
「あなたの想いに応えて、黄泉の国の神様に返してもらうよう頼んでみるわ!相談に行く間、私の姿は見ないでね!」そう言われて、イザナギは待っていますが、なかなかイザナミの声がしません。

 

だんだん不安になってきたイザナギは、自分の櫛を折って、火を点けて、イザナミの声が聞こえた方を照らしてしまうのです。イザナギは、そこで見たものは、イザナミの腐乱した死体でした。驚いたイザナギは、その場を逃げ出します。

 

その音を聴いて、イザナミは、イザナギが逃げ出したことを知り、怒り悲しみ、その後を追いかけます。イザナギは、何とか黄泉の者も従えて追いかけてくるイザナミから逃げ、最後は黄泉の国と現世の出入り口を塞ぎました。そして、この後、黄泉の国という死者の国に行って、死の穢れが染みついた自分の体を海に入って、海水で清めたのが、禊(みそぎ)の始まりなのです。

 

日本の神様は、全知全能の神様ではありません。罪や穢れも時には、背負います。だから、禊(みそぎ)が必要になったのです。そして、そのことと同じことを、現代の我々も禊(みそぎ)と言い、行っているのです。神社にお詣りをする際に手水舎で、手を洗うのも、穢れをはらい清める簡易版の禊(みそぎ)なのです。

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